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妊娠前に知っておくべき、ウィルス抗体とワクチン接種について

妊娠を計画している方にとって、自分の抗体状況を把握しておくことは、健康な妊娠を迎えるための大切な準備のひとつです。特定のウィルスに感染すると、母体だけでなく、お腹の赤ちゃんにまで影響が及ぶ可能性があります。そのため、ウィルス感染による健康リスクや胎児への悪影響を防ぐためにも、事前に正しい知識を身につけることが必要です。この記事では、妊娠を考えている方に向けて、知っておきたいウィルス抗体や予防策について詳しく解説していきます。

妊娠とウィルス感染の関係性

妊娠中にウィルス感染が起こると、母体に大きな負担がかかるだけでなく、胎児の健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。
例えば、妊娠初期に風疹に感染すると、先天性風疹症候群という病態を引き起こし、心臓や目、聴覚に障害が現れる可能性があります。また、水痘ウィルスに妊娠中感染すると、胎児の発育不全や奇形の可能性が高まることが知られています。

そのため、妊娠を計画している段階で、自分の抗体の有無を確認し、必要に応じて予防接種を受けることが大切です。これにより、感染リスクを最小限に抑え、母体と胎児の健康を守るための準備を整えることができます。

妊娠前に確認すべき主に予防出来る感染症
風疹

風疹は妊娠初期に感染すると胎児に深刻な影響を及ぼし、先天性風疹症候群(CRS)を引き起こす可能性があります。この症候群は、心臓の異常、聴覚や視覚障害、成長の遅れなどを招くリスクがあり、胎児の発育に大きな支障をきたします。

風疹の抗体検査は主に血液検査が行われ、結果は通常 2〜3日で判明しますが、医療機関によっては1週間程度かかる場合もあります。

麻疹

麻疹は妊娠中に感染すると、流産や早産、胎児の低出生体重などのリスクを引き起こす可能性があります。極稀にですが、胎児にもウィルスが伝播するケースというのも確認されています。また、麻疹に感染した妊婦自身も重症化しやすく、肺炎や脳炎といった合併症を引き起こす危険性があるため、妊娠中の麻疹感染は母体と胎児の双方に大きなリスクを伴うのです。

麻疹の抗体検査も同じく血液検査が行われ、結果も同じく 2〜3日程度で分かります。

水痘(みずぼうそう)

水痘は妊娠中に感染すると、胎児に先天性水痘症候群を引き起こし、奇形や発育不全、脳や目の異常をもたらすリスクがあります。また、母体にも肺炎などの重症化の可能性があり注意が必要です。

血液検査で抗体を確認し、結果は2〜3日で得られることが多いです。

子宮頸がん

子宮頸がんの主な原因とされるヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触を介して感染するウイルスで、女性にとって非常に重要な健康リスクを伴う感染症です。
感染による子宮頸部の異常や治療歴は早産や低出生体重のリスクを高め、分娩時に産道を通じて新生児に感染することで、まれに呼吸器乳頭腫症を引き起こすこともあります。

HPVは抗体検査ではなく、HPV感染の有無を調べる検査(子宮頸部細胞診やHPV-DNA検査)が主に行われます。結果が出るまでには 1〜2週間程度かかります。

B型肝炎ウィルス

B型肝炎ウィルスを持つ母体から生まれる新生児は、母子感染による慢性B型肝炎のリスクが高くなります。新生児期に感染すると、慢性化する確率は約90%とされており、その後の人生で肝硬変や肝がんを発症するリスクが増加します。
また、妊娠中にB型肝炎ウィルスに感染した場合、母体自身にも肝機能の低下や劇症肝炎などのリスクが生じる可能性があります。

血液検査により抗体の有無を確認し、結果は2〜3日程度で判明します。

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妊娠前に接種が推奨されるワクチン
MMRワクチン(風疹、麻疹、おたふく)

MMRワクチンは、麻疹、風疹、おたふく風邪の三種混合ワクチンのことを言います。MMRワクチンは通常1回の接種で効果を得ることができますが、抗体が不十分な場合には、医師の判断により、2回目の接種が推奨されることもあります。

また、MMRワクチンは生ワクチンであるため、接種後少なくとも 1か月以上 は妊娠を避ける必要があると言われていますが、安全性を確保するため、多くの医療機関では 2か月間 の避妊を推奨しています。この期間中に妊娠すると、逆に胎児へのリスクが生じる可能性があるため、スケジュールをしっかり計画することが大切です。

水痘ワクチン

水痘ワクチンは通常2回の接種が推奨されています。1回目の接種から4週間以上の間隔を空けて2回目を接種することで、より高い予防効果が期待できます。
また、水痘ワクチンも生ワクチンのため、接種後 1ヶ月以上は妊娠を避け、安全性を確保するために、2か月間の避妊が推奨されています。

HPVワクチン

子宮頸がんの主な原因となる高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するためのワクチンが、HPVワクチンになります。
HPVワクチンは15歳以上が接種する場合、計3回の接種が推奨されています。接種する期間としては、1回目の接種から2か月後に2回目を、さらに6か月後に3回目を接種するといったスケジュールとなります。
HPVワクチンは不活化ワクチンであり、妊娠中でも安全性が確認されていますが、妊娠中の接種は推奨されていません。そのため、約6ヶ月の接種スケジュールを完了してから妊娠を計画することが推奨されます。

また、日本国内におけるHPVワクチンの接種率には、年代によって大きな差があります。2013年に厚生労働省がHPVワクチンの積極的な接種勧奨を控えた影響で、2000年度以降に生まれた女性の接種率は極めて低下し、ほぼゼロに近い状況となりました。

しかしながら2022年4月からは積極的勧奨が再開され、同時に1997年度から2006年度生まれの女性を対象としたキャッチアップ接種も実施されているような状況です。
そのため、該当年代の女性は正しく情報をキャッチアップし、リスクに備えた予防接種が推奨されます。

B型肝炎ワクチン

B型肝炎ワクチンは、通常3回の接種が推奨されています。標準的なスケジュールとしては、1回目の接種から4週間後に2回目を、そして1回目の接種から20~24週間後に3回目を接種するといったスケジュールとなります。

そしてB型肝炎ワクチンも不活化ワクチンのため、妊娠中の接種が可能とされていますが、接種スケジュールを確実に完了させるためには、計画的に妊娠を進めることが望ましいです。

品川イーストクリニックでは、上記のようなワクチンをご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。

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予防接種の費用・助成制度について

予防接種はそれぞれの自治体や医療機関によって費用が異なりますが、一部の予防接種については、自治体が助成金を提供していることがあり、それにより負担が軽減される場合があります。それぞれの自治体に問い合わせをし、自分が対象になるかどうか確認することが大切ですので、お住まいの自治体のウェブサイトや保健所にて情報を探してみてください。また、自治体ごとに助成制度の内容が異なるため、詳細な情報を入手するためには事前のリサーチが必要です。
品川イーストクリニックでは、ワクチン専門クリニックとして、地域ごとの助成金制度に関する情報も豊富に備えているため、そういったご相談も大歓迎です。

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健康的な妊娠のために

妊娠前にウィルス抗体を確認し、必要な予防接種を受けることは、健康的な妊娠を迎えるための重要な準備の1つです。抗体チェックや予防接種は、母体と胎児の安全を守るだけでなく、家族全体の健康にも繋がります。自治体の助成制度や医療機関のサポートを活用し、計画的に準備を進めましょう。

品川イーストクリニックでは今回ご紹介した感染症やワクチン以外でも、患者様の状況に合わせた最適な予防治療をご提案可能です。

未来の家族のために、できることから一歩ずつ始めてみてください。

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