冬の時期、暖房で暖かい部屋と暖房のない脱衣所や浴室との温度差が１０度以上になることはまれではありません。

このような温度差がある環境下で入浴する場合、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動し、熱い湯船に入ると短時間のうちに急激な温度変化が起こり、血圧の急激な上昇・下降が引き起こされます。

これを「ヒートショック」や「ヒートショック死」といい、体に大きな負担をかかり、冬の入浴中に起こる突然死の要因になります。
ヒートショックによる事故を未然に防ぐには、湯船に入る前に手や足など末端部分からかけ湯をして徐々に体を温めたり、予め浴室や脱衣所を暖め温度差をなくす事などが効果的です。

浴室での死亡事故はこのヒートショックが原因の可能性があり、さらにお酒を飲んだ後は血圧が大きく変動しやすくなります。自分は大丈夫と過信せずに飲酒後の入浴は控えるようにし、対策としては湯船から出る際は急に立ち上がらずゆっくり出ることや、入浴前後にコップ１杯の水分補給をすることも大切です。

また厚生労働省の人口動態調査によりますと、高齢者の不慮の溺死及び溺水による死亡者数は交通事故による死亡者数よりも近年では多くなっているとのことです。