前回のコラムでは、一般的ながん患者さんに向けたネイルケアの基本的な方法をご紹介しました。
今回は、爪に変形や変色が見られるがん患者さんのために、さらに詳しいケア手順と注意点について掘り下げてみたいと思います。

図：がん患者さんの爪トラブル

• 変形の程度を確認
  爪の形状が波打っているのか、厚くなっているのか、あるいは凹凸があるのかをチェックします。これによって適切なケア方法が決まります。
• 爪の清掃
  凹凸に沿ってコットンで優しく清掃します。変形部分は汚れが溜まりやすいため、細部まで丁寧に行いましょう。
• ネイルオイルの塗布
  変形部分にしっかりとオイルを塗布し、爪全体に均等に伸ばします。爪専用のオイルは、爪の表面に薄い保護膜を形成し、乾燥を防ぐのに効果的です。また、健康な爪が生えてくるように爪の根元に塗布したり、爪の剥離を防ぐために爪裏に塗布したりを一緒にするとよいでしょう。
• マッサージ
  爪の形に合わせて優しくマッサージを行い、オイルが全体に行き渡るようにしましょう。

• 変形部分の保護
  厚くなっている爪や凹凸のある爪は割れやすい傾向があります。特に慎重に取り扱いましょう。
• 爪の負担を減らす
  変形した爪には特別なケアが必要です。場合によっては、専用のネイルケア製品（クリームや保護剤など）を使用することも考慮してください。

• 変色の種類を確認
  まずは爪の変色の原因を見極めましょう。黄色や茶色に変色している場合、薬物の影響や真菌感染の可能性が考えられます。一方、青や黒の変色は、血液の供給不足や外傷が原因であるかもしれません。
• 爪の清掃
  基本的な清掃方法を守りつつ、変色部分には特に優しくアプローチします。繊細なケアが求められます。
• ネイルオイルの塗布
  変色部分に直接オイルを塗布し、爪全体に均等に広げます。爪専用のオイルは、吸収が早く、変色部分に潤いを与えるのに適しています。また、健康な爪が生えてくるように爪の根元に塗布したり、爪の剥離を防ぐために爪裏に塗布したりを一緒にするとよいでしょう。
• マッサージ
  変色部分を中心に優しくマッサージし、オイルがしっかりと浸透するように心がけましょう。

• 原因の確認
  変色が真菌感染によるものであれば、抗真菌薬の使用が必要です。必ず医師の指示に従い、適切な治療を受けてください。
• 過度の圧力を避ける
  変色部分は非常にデリケートですので、強くこすったり圧力をかけたりするのは避けましょう。

 
これらの手順と注意点を踏まえたケアによって、がん患者さんの爪の健康を守りながら、快適にネイルケアを行うことができます。