硬水と軟水の違いは?
2021/10/21
トラベルクリニックお水のお話
軟水と硬水の違いは、「硬度」の違いです。硬度というのは、お水1Lあたりのカルシウムやマグネシウムの含有量です。
「硬度」というのはカルシウムとマグネシウムの含有量ですから、これらの濃度が高い硬水は、口当たりが重く苦みを感じます。反対にカルシウムやマグネシウムの濃度が低い軟水は、まろやかな口当たりとさっぱりとした風味が特徴です。私たちが普段日本で飲んでいる水道水や国産のミネラルウォーターはほとんどが軟水ですので、日本人には硬度の低いお水の方が合うと言われています。
日本での一般的な分類
区分 | 硬度 |
軟水 | 100㎎/L 未満 |
硬水 | 100㎎/L 以上 |
WHO(世界保健機関)での定義
区分 | 硬度 |
軟水 | 60㎎/L 未満 |
中程度の軟水 | 60~120㎎/L |
硬水 | 120~180㎎/L |
非常な硬水 | 180㎎/L 以上 |
硬水のメリットとデメリット
硬水のメリットやデメリットには以下のようなものがあります。
【メリット】
便秘解消効果が期待できる
マグネシウムは下剤に使われていることもあり、マグネシウムを多く含む硬水は、消化器系に影響を与えて便通を良くする効果が期待できます。便秘気味の人が硬水のミネラルウォーターを飲むことで、便秘が改善されるケースもあります。
動脈硬化の予防
カルシウムやマグネシウムが多く含まれている硬水には、血液をさらさらにする効果があると言われていましす。動脈硬化によっておこる心筋梗塞や脳梗塞といったリスクを減らすことが期待されています。
【デメリット】
結石のリスクが高まる
腎臓の機能に問題がある方が硬水を多量に摂取すると、硬水に含まれているカルシウムをろ過しきれないため、結石のリスクが高くなります。
お腹がゆるくなる
胃腸が弱い人の場合は、硬水に多く含まれるマグネシウムの影響でお腹がゆるくなってしまうこともあります。
軟水のメリット、デメリット
硬水のメリットやデメリットには以下のようなものがあります。
【メリット】
赤ちゃんや小さな子どもでも安心
軟水はマグネシウムの含有量も少なくお腹にも優しいため、赤ちゃんや小さな子どもにも安心して与えることができます。しかし、硬水にはマグネシウムが多く含まれていて、胃腸に大きな負担がかかってしまうため、子どもの飲用としては適していません。
肌や髪に優しい
軟水は肌や髪にも優しく、身体や髪を洗っても心配はほとんどありません。硬水で体や髪を洗うと、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの影響で、肌がつっぱったり髪がパサパサしたりすることがあります。
泡立ちが良い
軟水は硬水と比べて石鹸や洗剤の泡立ちが良いです。
【デメリット】
ミネラル補給はできない
ミネラルには便秘やむくみを解消したり、筋肉の痙攣や足がつるのを予防するなどの効果がありますので、日頃から一定量摂取する必要があります。現代人が不足しがちと言われるマグネシウムやカルシウムなどのミネラルが少ない軟水では、多くの摂取は望めません。